『告白』

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
読んだのは映画化が決まった頃だったけど、つい最近やっと映画のほうを観たのと、会社の人たちと話題になったから。いやしかしこれがデビュー作ってすごいよね。
話題になったのは、誰がいちばんこわいか。なんか『悪人』のときもそういう話したな。最初は少年Aかなと思ったけど、やっぱり先生かなあ。以下ネタバレ含むので一応畳みます。


娘の復讐をしたいっていうのはわかる。そのためにウェルテルやクラスの皆を利用したりAの母親を犠牲にしたりすることもね。でも委員長の死についてだけは納得できない。あのことも、もしかしたら想定外だったのかもしれないけど、それでもあまり意に介してないよね?そこが気持ち悪い。
でも先生の気持ちにすら感情移入はなく、敢えて当てはめるならクラスメイトたちと同じスタンスだったのかな。野次馬根性。センセーショナルではあったけど、好きな作品ではないし、「ああ面白かった」ではないかなー。
会社の子と話したのは、映画のラストの「なんてね」の意味。それを、彼女は本当は爆破してないんじゃないかって取って、「どっちだったと思う?」と。
最初は私も爆破したかしないかは問題じゃないのかなと思って、Aを絶望させればいいのかなと思ったけど、もし爆破していないなら、そのことを知ったとき、Aは莫迦だから元の彼に戻るよね。絶望したり反省したりしていたとしても。それでそういう子だってこと、先生にはわかるよね。そしたら爆破するよね。
「なんてね」は、「爆破したかしてないか」には掛かっていないと思う。「あなたの更正の第一歩です」に掛かっていて、「そんなこと微塵も思ってないけどねこれ復讐ですもの」ってことでしょう?