『虚ろ舟』

虚ろ舟 泣きの銀次参之章 (100周年書き下ろし)
この人の著作はすべて読んでいるし、大好きなんだけど、これはちょっと異色作。知りたいから読んだけれど、とても「ああ面白かった!」とは言えない本。『泣きの銀次』シリーズの3作目で、銀次ももう50歳。このシリーズは本と本の間でかなりの年月が経つので、最初いつも戸惑う。1作目で所帯を持ったかと思えば、2作目ではもう子どもが4人もいたりするしね…。通り魔や「誰でもよかった」や「人を殺してみたかった」を、舞台は江戸時代に移して描いてるんだけど、それでもリアルだし考えこんでしまうのが不思議。はらはらどきどきして面白いけど、楽しくはなかったかな。