『神去なあなあ日常』

神去なあなあ日常
面白かった。前に読んだ『漁師志願』にも少し似てるかな。お話云々も面白いんだけど、林業についての知識がいろいろ詰まっていて、そこに夢中になった。あと48年に1度の大祭のところはもう、圧巻。
この中に、「ヨキ*1が町で生まれ、山の仕事を知らずに育ったらどうなっていたんだろう」っていう主人公の独白があって、そこに胸がきゅっとなった。「きっとどこに生まれても楽しくたくましく生きるだろうけど、でもきっと女遊びばっかりして要領よく仕事をサボる、そんな男になっていただろう」とも。だからヨキが神去村に生まれて山の仕事をしているってことは、奇跡のようなことで、山の神様に選ばれたし、愛されてると。そんなふうに生きられる人は多くはない。そこがいちばん感動した。
あと田舎の人々。大仰に妖怪みたいに描かれてるけど、でもいるよね…こういう人たち。

*1:荒っぽく野生児の先輩の木こり。