『ごむにんげん』

ごむにんげん (コバルト文庫)
久しぶりに再読。コバルト文庫って、小学校高学年から中学生にかけて一度は通る女の子って多いんじゃないだろうか。またまた食わずにイメージだけで毛嫌いしてたけど、このタイトルにやられて衝動買いしたのは中2のとき。まさに浩祥ワールドで、初めてファンレターなるものを出した人でもあったりする。こういう小説家のファンレターの返事がどういうものが普通なのかはわからなかったけど、可愛いい便箋に手書きで2枚返事をくれたのは、随分真摯な対応だったと思う。そのあとも作品を読んでは手紙を書き、その返事をもらっていたなあ。*1
表題作の『ごむにんげん』はかたくなで人嫌いの女子大生が、図書館で思わず声をかけてしまったごむにんげんとの交流。
もうひとつの『妖怪ポスト』は、ほんの登場人物に恋をしてしまった空子の話。
好き嫌いが分かれるのかもしれないし、もしかしたら「大して上手じゃないじゃない」とか思う人も多いのかもしれないけど、久々に読んだらやっぱりいいなあと思った。この作家は商業誌から離れてしまって随分経つ。
大学に入った頃にはホームページがあって、「おおなつかしい!」とメールをしてみたりしていたけど、すっかり動向がわからなくなってしまってさみしい。また書いてほしいな。

*1:途中から便箋は1枚になり、ファンレターをくれた人にもれなく配っているのだろう「お返事ペーパー」なるものと掌編が同封されるようになった。